「敷金110番」アパート・マンション退去時の駆け込み寺

敷金返還問題について

敷金の定義
一般に敷金とは、『 賃借人が借りた家屋を明け渡すまでに生じた賃貸人に対する一切の債権を担保するものである 』と定義されています。
ここでいう『一切の債権』としては、賃貸人の賃借人に対する未払賃料債権と 損害賠償債権の二つが主なものとしてあげられます。 しかし、未払賃料債権はその存否が比較的明確なため、敷金返還に際して特に問題となるのは、損害賠償債権であるといえます。 そしてこの損害賠償債権は、原状回復義務から生じるものです。

敷金返還問題が生じるわけ
最近は 『 敷金 』を払わなくても良い賃貸物件も見られますが、不動産の賃貸借においては、賃貸人に敷金を交付するのが一般的です。 そのため、賃借人も当たり前のように敷金を支払うわけですが、多くの場合、賃貸人と賃借人の間で敷金に対する認識が違うため、 いざ退去する時点になり敷金返還問題が発生することになってしまいます。 賃借人がどの範囲まで原状回復をする義務を負うのか、そのため賃貸人に対してどれだけの損害賠償義務を負うのか、といった認識の違いから 敷金返還と原状回復義務をめぐるトラブルが起こっているのです。
原状回復義務とは?
この原状回復義務の定義は、一般に認識されているような複雑なものではなく、 『賃借人が賃借物(部屋)の中に設置した家具やエアコンを取り除く』という程度の意味しかありません。 つまり、古くなって汚れた壁紙などを張り替え、賃借人が入居した当初の新品の状態に戻す、などといった意味は原則としてない、ということです。 賃借人自身が設置した家具やエアコンを取り除き、次の入居者が入居できるような状態に戻す、といった意味で原状回復と呼ぶわけです。 そして、この原状回復ができていなかった場合に損害賠償義務を負い、敷金からの返還を要求されることとなるにすぎません。